しかし、クリスマスの休戦もここまででした。事態を憂慮した高官達が、ただちに兵士達を塹壕に呼び戻し、そして発砲が再開されました。わずかですが、生き延びた者の心には、前線で迎えた、あのクリスマスの忘れられない記憶が残りました。
あの日、彼らの心には、きっと「敵を愛しなさい」という聖書の言葉(参・マタイ5・44)が浮かび、その胸に刻みつけられたに違いありません。私は何時も、クリスマスの喜びと同時に、『戦争のない人類の歴史は何時現実に』、という思いが心に浮かんでくるのです。