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先輩に倣う

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

先輩に倣う、と言うテーマに合うのかどうか自信がなくて、なかなか書き始められなかったのですが、やはり、マリア様のことを思わないではいられません。

いつか、ある20人ぐらいの集まりの時に、有名な科学者の大先生が「私には、どうしてもわからないのは、カトリックでは、マリア様のことをとても大切にしていることだよ。どうしてなのかね。」と本当に素直に、お尋ねになったのです。ところがそこにいた、それこそ大先輩のカトリックの作家や司祭までもが困った顔をして、何もおっしゃらないのです。

私はたまらなくなって、とても勇気のいることでしたが、自分が思っていることをお話ししました。つまり、「マリア様は、天使のお告げを受けた時からずっと、本当に難しい、自分にはよくわからない逃げ出したくなるようなことばかりを命じられてきたのだと思います。でも、その度にあの方は、それをじっと心にとめ、深く思いめぐらし、受け入れてきたのだと思います。そこに、教会は祈りと信仰のもっとも基本的な姿を見いだし、大切にしてきたのではないでしょうか。私にはそう思えるのです。」と申し上げました。

すると、その先生は、「あんたの話しは、気に入った。それなら自分にもわかるな。」とおっしゃったのです。私は、とても嬉しく思いました。自分が大切にしてきたことが、あの先生にも同感していただけたことが忘れられません。

子どもの時、マリア様はイエズスさまのお母様なのだから、あの方にお願いすれば、必ずイエズスさまが聞き届けて下さる、と言われていました。でも、私は、それだけではないような気がしていたのです。でも、今ではきっとそれも真実なのだと思っています。