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先輩に倣う

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

私が見習いたい先輩は誰?あの方?この方?と想い巡らす内に、マリア様に行き着きました。聖書に出てくるマリア様のエピソードは、どれも彼女の素直な心や謙虚な優しさ、神と人への愛と深い信仰心を伝えていて、私にはとてもできそうもない、だからこそ、少しでも見習って近づきたい・・・と憧れるのです。

まず次の受胎告知の場面です。

ある日、乙女マリアに天使が現れて「あなたは神の子を宿す」と告げた時、マリアはびっくりしながらも、「私は男の人を知りませんのに、どうしてそのようなことが起こるのですか?」と率直に尋ねます。天使が「神にできないことは何一つありません。」と答えると、マリアはいとも素直に、そして潔よく「はい」と天使の言葉を受け入れました。許嫁のある身で、しかも乙女のまま神の子を宿すという信じがたいことが我が身に起きることを承諾し、一生を委ねたのです。

カナという村での出来事は、イエス・キリストの最初の奇跡と言われますが、これも彼女の周りの人々への思いやりがあったからこその賜物です。

母マリアはイエスと弟子たちと一緒に婚礼に招かれた客なのに、葡萄酒がなくなることにいち早く気づき、招待者の恥を慮ってイエスにそっと伝えます。最初拒否されますが、彼女は召使いに「この人が何か言ったらそのようにして下さい」と頼みました。やがてイエスは母の取りなしを想い、瓶に水を満たすよう命じます。その瓶の水が宴会の給仕人が驚くほど上質な葡萄酒に変化し、婚礼の人々はみなその葡萄酒で喜び祝ったのでした。母マリアの気配りと、我が子イエスの神の力と優しさへの深い信頼がこの奇跡を生んだのです。マリア様は私の生涯のお手本です。