一方、あまり自信過剰になると、今度は周囲の忠告を、必要以上に拒否してしまったり、いこじになって、大切な情報を見逃してしまったりします。どちらに傾きがちかは人によるでしょう。私の場合は、自信喪失型です。人に何か言われると、すぐに心配になったり落ち込んだりしてしまい、ここぞというときに力が出せずに悔しい思いをすることがしょっちゅうあります。
そんな時、私の気持ちを静めてくれる言葉がセルフ・エスティームなのです。
たとえ失敗しても、厳しく注意されても、人生は続いていくのです。そして私たちのなかには、失敗にも厳しい言葉にも左右されない、絶対価値のようなものがある気がしています。それはその人自身にも侵すことのできない聖域で、何があっても変わらず、ひとつの波長のようにずっと続いている世界であるように思えるのです。
その世界が私の「賜物」であるなら、それを大切にし、柔軟に軌道修正しながらも、簡単に揺るがないという精神状態こそが、平常心なのでしょう。
開き直りでない正しい平常心は、自信過剰でない正しいセルフ・エスティームから生まれると思うのです。