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一致を願う

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

17世紀のフランスで、私たちの修道会は始まりました。会の創立者は、ヨハネ福音書の「みなが一つとなるように」(17・21)という、主イエスの一致のための祈りに心を突き動かされて、当時の社会のニーズに応えようと、女子修道会を創立したのです。

当時のフランス社会は階層社会で、下層階級の貧しい人々は悲惨な状態にありました。創立者は、助けを必要とする多くの人々に出会って、深い悲しみにおそわれました。そして、このひび割れて壊された世界の分裂を癒し、人々と神様、そしてお互い同士の和解をはかり、一致をもたらすために、神様の道具として、可能な限りのあらゆることをしたいという深い促しを感じたのです。

創立者と最初に協力したシスターたちは、彼らの小さな共同体が人々の間の深い傷と分裂を癒し、和解させ、「女性が愛する隣人のために為すことができる、霊的、精神的、身体的なあらゆる働きを実行することによって」、社会の弱い立場にある人々と関わっていく「開拓者」のようになれたらと、願っていました。

当時、女性の修道会は、社会的な活動が許されておらず、彼女らのビジョンを現実のものにするためにはたくさんの困難が待ち受けていました。しかし、彼女たちのような働きによって、教会と社会は深い感化を与えられることになり、使徒的活動を行う新しい修道生活の形も公に認められるようになったのです。

時代が移り、国や文化が違っても、争いや分裂によって傷ついている現実は変わっていません。現代も、より複雑な社会の中でいろいろな意味での和解が求められています。

私も、創立者の霊性を大切にし、一致のための小さな働き手として、あとに続きたいと願っています