30年もの間、病む人を看取ってきたルイーズの、聡明さと優しさとをたたえた微笑み、信頼と希望をもたらす言葉は、病棟を照らす太陽のようでした。日本の歴史・地理・文化・宗教にいたるまで通じていて、私が答えに窮するような質問をするほど、日本に憧れ訪れる日を待ち望んでいたルイーズ。その夢が、私の帰国後数年もたたぬうちに消えてしまったのです。
「愛する妻ルイーズは、最期まで、あなたをなつかしく思い出していました。」訃報に同封された絶筆は、ルイーズの生涯の証のように思われました。そのとき、私は復活されたキリストの約束を思い出したのです。
「私は世の終わりまで、いつもあなたたちと共にいる」(マタイ28・20)
時間と空間を超えた、つねに「今」である復活されたキリストは私たちを離れず、新たな第一歩へと導き、永遠の命の希望で心を満たしてくださいます。亡き人との出会いの追憶は、いつの日か、神様のもとでの終わりのない再会の喜びを、この世で味わうことではないでしょうか。