自然には独自のリズムがあり、人間の都合に合わせることも振り回されることもありません。北海道の人は天候についてあまり文句を言いません。人が自然に合わせ、ゆったりと生きています。自然をコントロールしようとしてもできないことを知っているのです。
それは健全な感覚だと思います。決してかなわない巨大で神秘的な相手と対決せず、包まれながらその賜物によって生きていく。このような自然への畏敬の念は「神への畏敬」に近い、謙虚な姿勢だと思います。自然に親しむと神様とも親しくなれるような気がします。
私の住んでいた田舎は非常に静かで、小鳥のさえずりや風の音は友達の声のようでした。静けさの中では心の声に耳をすますことも容易です。
先日、心騒ぐ出来事があった時、自室の窓を開けてお祈りをしました。春の柔らかな風と小鳥のピチュピチュという声、どこからともなく漂ってくる花の香りをかぐと、気分がぐーんとよくなり、落ち着いてきました。自然は神さまの作品ですから、何かを優しく語りかけ、バランスを失っている部分に調和をもたらしてくれるのです。