どうするのかしら。私は知人、友人に聞いて回りました。そしてわかりました。
直径が15センチ以上ある板谷楓を選ぶこと。冬になると葉が落ちてわからなくなってしまうので、目当ての樹木には、夏のうちに印をつけておくこと。採った樹液は、50分の1から100分の1に煮詰めること。
翌年の早春、友人から電話がありました。
「メープルの樹液が上がり始めたよ」 私は夏の間、印をつけておいた板谷楓の元へ向かいました。雪はまだ1メートル以上あります。かんじきを履いて行きました。地上1メートルのところにドリルで穴をあけ、プラスチックの管を差し込みます。その管はペットボトルに通し、ペットボトル内に樹液が溜まるようにするのです。同じ装置を森の中の板谷楓6本に設置しました。毎日、見に行くのですが、樹液はなかなか溜まりません。寒すぎるのです。そのうち雪が解けて雨が降りました。翌日見に行くと、ペットボトルいっぱいに樹液が溜まっていました。万歳、大成功です。
樹液を煮詰めました。大鍋いっぱいの樹液から牛乳瓶に1本ほどのシロップができました。フランスパンにつけて食べました。メープルの香りが口いっぱいに広がって夢見るような甘さです。
北海道大沼の大自然よ、6本の板谷楓よ、素晴らしいメープルシロップをありがとう。