地球温暖化による自然界の変化が、人々に不安を与えている昨今ですが、確実に季節は巡ってきますし、日照時間の移り変わりで早春や晩夏の微妙な気配を、察知することが出来ます。また、ほとんどの食材が一年中店頭に出回る現状でも、やはり旬の食材が一番美味しく感じられます。どのくらい照明器具の性能が良くなっても、自然の太陽光は、しっかりと物を見る時は、最も美しく色や形をとらえさせ、確かな質感を持って見せてくれます。
このため画家のアトリエは北向きで、天井をガラスにしたり、天窓を設けるなどして、一定の光量の自然光で絵が描けるように、工夫して建てられます。
大自然の中にたたずむ時、何となく詩心がわくものですが、詩人金子みすずは自然は神と一体であることを、やさしい言葉でくり返し詩にしました。私の好きな一編に「蜂と神様」という詩があります。蜂は花の中で蜜を吸い、花は花壇の中で咲いていて、その花壇はどこかの国のある町に住む、誰かの庭の小さな片隅に在るのですが、どこかの国と国が集まって、地球を共通の故郷とした世界を作っているわけです。その広い世界全体が神のものである一方、小さな蜂の生命の中にも神が在るという内容です。私達は自然と親しむことで心が素直になり、神そのものを体験するのだと思います。
鳥を養い、野の花でさえ装って下さる神に感謝して、神の国と神の義を求めましょう。