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心輝かせて

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

 小学五年生の宣言。

 「ぼく、O神父さまみたいになりたい!神父さまになるよ」

 5年生の夏休み、召命錬成会から帰るや息子は叫びました。眸をキラキラさせ紅潮した顔は忘れられません。

 大好きなO神父さまや神学生のお兄さん達、同じ仲間の男の子達との合宿はそれは楽しかったようです。神さまのお話しをたくさん聞いてお祈りして、最後、キャンプファイヤーで締めくくったその夜、「神父さまになりたいひと!」との問いかけに彼はまっさきに手を挙げたそうです。

 そうして小学校卒業と同時に家族やクラスメートと離れて、小神学校に入学。それから三年、じつに神さまは別の道を用意してくださっていたのです。

 残念ながら彼は神父さまにはなりませんでしたけれど、O神父さまや仲間達とひとつ屋根の下、毎朝のミサ、朝晩の教会の祈り、オルガンやラテン語の聖歌の練習、自習室でテスト前のねじりハチ巻き、時にはスポーツで汗を流し・・・と普通の学校生活では味わえない体験だったあの頃を、「宝ものだね」と振り返っています。

 人生に無駄なことなし、忘れた頃にキラリと光る不思議な宝石かも知れません。

 ばあばの誕生祝い

 うちのばあばは97才。家族みんなで集まってお祝いしましょうということになりました。歌うことの好きなばあばの為に、キーボードを用意してカラオケ大会になりました。ばあばの好きな歌は「上を向いて歩こう」と「マリアさまのこころ」で、私は即席のカラオケ奏者をつとめましたが、まだまだばあばのソプラノは健在で輝く花の笑顔で歌いまくりましたよ。