この現象をみて子どもたちは、はじめおどろきとともに不思議さを感じます。どうしてこうなるのか、あたまのうえに大きな「はてな」のマークが目に見えるようです。そしてこの現象がどうして起こるのかの説明を受けて納得したときに、子どもたちの心に小さな輝きが見られます。
もっと輝くときは、工作をして静電気モーターを完成させ、塩ビパイプをこすったら、それが回り出したときです。子どもたちは跳びはねるように喜びます。
しかし、それがうまく回らないときに、輝きは消えて一瞬にしてどん底に突き落とされたような悲しい表情をします。このときがアシスタントの出番です。
私はこういう場合に子どもたちにいいます。「おじさんにとってはこういう場合が一番楽しいんだよね。どうしてうまく回らないのだろうか? こうしてみたらうまくいくかとか、あれこれ考えながらやってみて、その原因が突き止められて回り出したときがもっとも楽しいときなんだ。すんなりとうまくできちゃったときには、この楽しみが味わえないんだよね」と。
子どもたちの心も、すぐにすんなりとうまく回り出したときよりも、はじめはうまくいかなかったものがあれこれしているうちに回り出したときの方がずっとずっと輝くのです。