そう思えば、暴言を吐いたり、当たり散らしたりする人に違った態度で接することができるようになるだろう。「この人はいま、心に耐えがたいほどの痛みを抱えているのだ。怪我人が大声で叫ぶのと同じように、痛みに耐えかねて私に助けを求めているのだ」と思えば、相手を責めようとは思わなくなる。むしろ、相手へのいたわりが生まれ、あたたかな言葉をかけることができるはずだ。自分自身が暴言を吐いたり、当たり散らしたりしてしまうときには、「こんなことをしても仕方がない」と思い、自分自身をいたわって「神様、どうかわたしの心の傷を癒してください」と祈ることができるだろう。
暴言を吐いたり、当たり散らしたりする人が、たまにしか会わない人ならば、我慢するだけでもなんとかなるだろう。だが、家族や友だち、あるいは自分自身ならば、さらに一歩踏み込んで、心の痛みを思いやり、心の痛みに寄り添う覚悟が求められる。どんな場合にも、人間関係の問題を解決してくれるのは愛なのだ。