2014年05月05日の心の糧


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母の後ろ姿

熊本 洋

今日の心の糧イメージ  さきごろ、ある新聞の「声」欄に小学2年生の少年がその母親に心の底から述べた感謝の言葉、「『生まれさせてくれて』ありがとう」の言葉がその声欄の見出しともなって紹介されていました。

 この投稿は、46歳の母親、会社員のN子さんからのもの。「息子が自分の生まれた時のことや家族への思いを綴る宿題を持ち帰ってきたので、母子手帳を一緒に見ながら生まれた時の体重や好きだった遊びなどを話して聞かせた」ところ、息子が宿題の冒頭に書いた言葉は、「ママ、ぼくを生まれさせてくれてありがとう」でした。N子さんが「『生んでくれて』じゃないの」と聞くと、息子さんは「生んでくれたことだけでなく、おなかの中にいた頃からずっとお世話をしてくれたこともあるのだ」とユニークな返事があり、感心していたら、そのあと「もっと言うとパパがママと結婚しなかったらこの世にいなかったことも入っている」と、思いもよらない言葉が返ってきたのでした。その日がたまたま、母親、N子さんの誕生日だっただけに、息子さんのこの言葉にひとしお感激、「母として最高のプレゼントをもらった」と述懐していました。

 実に微笑ましいエピソードだと思います。私は、この小学2年の息子さんが、人のいのちの尊さを示唆する見事な表現をしたことに感嘆するとともに、母親N子さんの、息子さんへの目に見えない日頃の薫陶もあったと推察します。敬意を払いたいと思います。

 カトリック教会では、バラ香るこの5月は聖母の月。教会が説く聖母崇敬の心と一脈通ずるものがあると思われる、この少年の「生まれさせてくれてありがとう」の尊い心を大いに称賛したいと思います。