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きらめき

高見 三明 大司教

今日の心の糧イメージ

 イルミネーションやネオンサイン、夜空の星やダイヤモンドなど、きらきら輝くものに目を奪われ、心をひかれない人はいないでしょう。それは、そのような光り輝くものが目を楽しませるだけではなく、気持ちを高揚させたり、心をなごませてくれたりするからです。しかし、どれも輝くためには、それだけの力ではできず、ほかのものの力を必要としています。実際、イルミネーションやネオンサインは、電気のおかげで光りますし、太陽系の惑星もダイヤモンドも太陽の光があってはじめてきらきら輝くことができるのです。

 ところで、わたしたちも、何かに熱中し、努力して成功するとききらめきます。高校や大学の入学試験に合格した人たちの顔は、長く苦しい受験生活を耐え忍んだ後だけに、とても輝いています。

 あるいは、オリンピックやサッカーのワールドカップでメダルを取った選手たちはからだ全体で喜びを表し、メダルがきらめくように、彼らの表情もきらめいています。それは、怪我をしたり、壁にぶつかって精神的に挫折したりしながらも、それらを乗り越えて前に向かって進んだからです。また、惜しくもメダルに届かなかった人の中にも、やりとげた達成感と満足感から、感激の涙を流す人もいます。その涙はきらめいています。

 ところで、このように入学試験に合格する人も、試合に勝ってメダルを取る人も、メダルは取れなくても達成感から涙を流す人も、自分が得たものが、自分の努力だけではなく、家族をはじめ、数え切れないほど多くの人たちの応援や支え、励ましや協力のおかげで得られたということをよく自覚しています。人がきらめくのは、自分の絶えざる努力と周囲の人々の支えが一つになって結実するときだと言えます。