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きらめき

三宮 麻由子

今日の心の糧イメージ

 自然観察をしていると、かわいいとか、気持ち悪いといった主観で生き物を区別する見方から解放されてきます。囀りのなかに身をおき、植物が成長したり、動物たちが生々しい生態系の営みを繰り広げる現場を目の当たりにし、それらすべてを乗せた地球が、自転し、その地球に対して太陽や月が働きかけてくる。その様子を全身で感じていると、もはやちっぽけな感情は忘れてしまうのです。

 松尾芭蕉は「よく見れば薺花さく垣ねかな」という俳句を詠みましたが、少し目を転じれば、私たちのすぐ傍にはたくさんの営みがあることに気づきます。どの生き物も、その瞬間を丁寧に、精一杯生きながら、子孫を育て、天敵と戦っています。褒めてほしいからではなく、生きるために自然にがんばっているのです。

 フィールドにいると、その自然ながんばりが、強い命のきらめきとなって、心に伝わってきます。そして、その力に圧倒されることによって、私は、私自身を含めたこれらの命のひとつひとつが、それこそ羽の一枚、毛の一本まで神様に見守られていることを実感するのです。

 きらめきには、害虫も益虫もなく、また、強いものも弱いものもありません。小鳥は自分が小さいからとがっかりしてはいないし、ゴキブリは自分が嫌われ者だとは思っていないのです。どの生き物も、造られた通りの姿で生きている、それがきらめきなのです。

 ある観察仲間がくれたメールは、大変印象的でした。

 「大きいやつも小さいやつも、フワフワした子も固い子も、ヌルヌルしたのもザラザラしたのも、みんな地球の仲間なんだよね。厳しいせめぎあいのなかだけど、だからこそみんなが力一杯生きていて、キラキラしてるよね。生きるというその光が、本当のきらめきなんだと思うよ」