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復活とは・・・

シスター 菊地 多嘉子

今日の心の糧イメージ

 私たち誰もが抱いている深い望みがあります。ほんとうの自分自身でありたい。あらゆる悪、罪や苦しみ、物質的なものから解放されて自由になり、自分らしく開花したい。どんな人とも親しく交わり、それぞれが自分らしく生きることのできる世界を築いていきたい。そして、自分も、愛する者も共に、いつまでも生きていてほしい。しかし、同時に、この望みは夢にひとしいことを体験によってわかっているのです。ところが、ほぼ2000年前、ナザレのイエスに招かれて使徒とされた人たちは、驚くべき事実を体験しました。

 一人の人間、イエスと呼ばれていたあのナザレ人・・・病人を癒し、罪びとを神に立ちかえらせ、死者をも蘇らせたあの人、時の宗教指導者たちから敵視され、弾圧されてもなお、柔和に力づよく生き抜き、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15・13)と言い、あらゆる人を極みまで愛して十字架につけられ、死んで葬られたあのイエスが・・・永遠に生きる者となった!神がイエスを復活させたのです。

 「キリストが復活しなかったのなら、私たちの宣教は無駄であるし、あなたがたの信仰も無駄です。・・・実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。」(コリント15・14と20)

 使徒パウロは確信をもって、こう宣言しました。イエスの復活によって、人間が抱いている夢は現実となったのです。

 復活されたキリストは使徒たちに現れて彼らの信仰をかため、復活の証人として全世界に派遣しました。キリストの教会は、使徒たちが命を賭けて伝えた証言に基づき、今も、世の終りまでも、この復活信仰を宣べ続けます。

 「からだの復活、永遠の命を信じる」キリスト者が全世界に絶えることはないでしょう。