またあるとき、私は座骨神経痛にかかり、足がひどく痛くなりました。そして痛みが治らないうちに、仕事で京都から東京へ行かなければなりませんでした。その時、一番困ったのは荷物を持って階段を上ることでした。新幹線の駅などエスカレーターのある場所は楽でしたが、目的地に行くために乗り換えて別の駅に行ったとき、そこにはエスカレーターがなく、長い階段をのぼらなければなりませんでした。仕方なく少しずつ上りはじめると、突然、私の後ろから一人の青年が現れて、私が困っていることがわかったらしくて、「荷物を持ちましょうか」と言ってくれました。私が「ありがとうございます」と言うと、彼はすぐに荷物を持って階段を駆け上がり、上に荷物を置いて手を振って去って行きました。
もちろん彼とは初対面で、二度と会う機会はないと思いますが、彼に対する恩返しとして、いつかは誰か困っている人の世話をしたいと思いました。