一方、生活習慣というのは、なかなか直せないものです。私の場合、忘れ物を減らす、ダイエットをする、ケアレスミスをなくすといった目標は毎年のテーマですが、満足に守れたと思った試しがありません。
それでも、私たちは毎年課題を与えられ、それらを乗り越えて行かねばなりません。
そんなとき、私は人類に与えられた一つの贈り物のことを思い起こします。それは、リセットするという方法です。
これを私は、卒業という日本語で解釈しています。一つのことにこだわると、次に進みにくくなったり、悲しみや落ち込みから立ち直りづらくなってしまいます。じっくりと過去に向き合う時間も大切ですが、ある時点ではっきりと過去から抜け出して新しい歩みを始めなければならない瞬間が必ずあるからです。リセットは、そのために用意された心の治療法なのではないかと思うのです。
私たちは年末に忘年会をして一年の憂いをリセットし、新年に新年会をしてリセットした心を確認しようとします。そしてそれが終ると、自分自身の中に立ち返り、深いレベルでリセットを行なうことになるのです。
自分勝手な切り替えは慎まねばなりませんが、変えられない過去を自分から卒業し、次の段階に進むリセットの方法は、上手に活かしていきたいと思います。