「見た眼に効果のあらわれることより、徒労とみられることを重ねてゆくところに、人間の希望が実るのではないか」――と、山本周五郎は『赤ひげ診療譚』の中で語ります。...
「見た眼に効果のあらわれることより、徒労とみられることを重ねてゆくところに、人間の希望が実るのではないか」――と、山本周五郎は『赤ひげ診療譚』の中で語ります。...
「おはよう」と言って、誰かが僕の肩をポンと叩きました。(誰だろう?)と思って振り向くと、それは、仲の良い一人の友だちでした。 「おはよう」とこちらも、応えま...
水のある風景――それを見ていると、なぜか心が安らぎます。池でも、川でも、湖でも、また海でも。足も届かないような沖に出て、身を任せます。多少怖い思いもありますが...
私たちが誰かに親しさを覚えるのは、きっとその人の優しさに惹かれるからではないでしょうか。できれば、自分もそのような人になりたいと思います。それは、そう簡単でな...
日本の若者の自己肯定感は、他の国々の若者のそれと比べて低い、と言われます。 内閣府は10年前、日本を含む7か国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査の中...
どこを/断ち切っても/うつくしくあればいいなあ 八木重吉の、『ねがい』という詩です。彼は、29歳で肺結核のために亡くなります。しかしその後、彼を追う...
「ゆるすということはむずかしいが、もしゆるすとなったら限度はない、――ここまではゆるすが、ここから先はゆるせないということがあれば、それは初めからゆるしてはい...
『老子』の中に、次のような言葉があります。「上善は水の如し」(二巻八十一章)。その意味は、「人間の理想的な生き方は、水のように生きることにある」でしょうか。水...
かつての四季の移り変わり、そしてその中での佇まい――これらはもう、味わえないのでしょうか。地球の自然環境は、加速度をつけて破壊されています。私たちが今体験して...
「子供を授かってから最も変わったのは、私の心。‶自分のいのちより大切な存在がある〟と気づいたこと」ーー友人の一人が、そう年賀状に記していました。 いのちの誕...