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根っこ

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」

 マラソン選手だった高橋尚子(たかはしなおこ)さんは、恩師から贈られたこの言葉を胸に刻み、地道な練習を積み重ねました。努力がすぐに結果として現れないときの心の支えになったそうです。シドニーオリンピックでの華やかな金メダルの裏には、誰からも評価されない辛いときも走り続ける日々の努力があったのです。

 同じように、野球界の大谷翔平(おおたにしょうへい)選手もまた、ひたむきな努力の象徴と言える存在です。ピッチャーとバッターの二刀流という前例のほとんどない道を歩む中で、批判されることも、手術でプレーができない時期もありました。それでも自分の選んだ道を信じ、日々の鍛錬を積み重ねてきました。その結果、メジャーリーグベースボールでシーズンMVPを4回受賞するなど、大きな花を咲かせてきたのです。

 私たちの人生にも花が咲かない時期はあると思います。でも、その時期は決して無意味ではありません。人はつい目に見える成果ばかりを求めてしまいますが、成長し、花を咲かせるためには、誰にも見えない所で根を張り続ける時間は欠かせないからです。

 焦らず、比べず、努力を重ねながら、ただ自分の根を深く伸ばしていく。その先にこそ、自分なりの花が静かに、確かに咲くのだと思います。

 このことは、スポーツや仕事や勉学の分野だけでなく、信仰生活にも言えることです。

 日々の祈りや行いは、地味で単調かもしれません。でも、神様はすべてを聞かれ、すべてをご覧になっています。
 祈りや信仰の(わざ)を続けていくことで、心にしっかりとした自分の根を伸ばし、神様は永遠の幸福という素晴らしい花を咲かせてくださるでしょう。