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根っこ

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

 人生も残り少なくなったと感じるこの頃、戦後の混乱から始まる自身の記憶を辿るとき、しみじみと私の根っこは、聖書にあったのだと確信しています。

 戦後間もない1947年、教会付属幼稚園に通い始めた私は、熱心な信徒であった母の影響もあり、子供の頃から聖書が身近にありました。

 寝る前に母が話してくれる物語にも、様々な童話に混じっていたのが聖書の譬え話です。(しもべ)が旅に出る主人からタラントを預かる話、12人の乙女の、油を用意するグループと寝入ってしまったグループがいた話、羊飼いと迷子になった1匹の羊の話などを聞いて育ちました。

 通った小学校は、毎朝「今日の聖句」が黒板に書かれていて、始業前にクラスで声を合わせて読み上げるというミッションスクールでした。
 そんなわけで、創造主への感謝は、いつでも喜んで自身がいただいている能力を提供すること、という生き方を自然と身につけてきたように思います。

 望まれれば教え、事業は引受け、乞われるままに描いてきました。殊に、創造主への信仰の証人、「生命まで与えて悔いなし」と天国に召された殉教者たちの生涯を描き、紹介してきました。

 長い歳月の中で教会や病院に願われるままに、作品を寄贈してきました。また、学校や史料館、美術館、博物館などにも求められて収蔵展示されている作品たちは、多くの人と出会う場を得ました。一粒の種が地に落ちて実を結ぶように、作品に込められたメッセージを伝播していきました。

 私の作品と出会ってくださった方々にとって、人生の目的について思い巡らすきっかけとなり、〝生かされている生命〟ということに改めて思い至るときとなったなら、どんなに嬉しいことでしょうか。


※お詫び
本文3段落目に「12人の乙女」とありますが、「10人の乙女」の誤りです。お詫びして訂正いたします。