

長いトンネルを抜けると雪国であった。これは有名な川端康成の小説「雪国」の一節ですが、今いる暗さの先に別のもの、新たなものがあるということを想うことのできる文章でしょう。
車や列車に乗っていると、様々な場所でトンネルに入ります。進んでいく先を眺めると、列車の場合は、トンネルに入った時から遠くに出口が見えていることが多いと思いますが、車の場合、特に高速道路の場合には、出口の先が出口に近づかないと見えない様な構造になっていることが多い様に思います。そして山岳地帯を抜けるトンネルは、途中くねくね何度も曲がりくねっていて、先が全く見通せないというトンネルもあるでしょう。
私たちが安心していられるのは、どのトンネルにも必ず出口があり、その先に開かれた場所があり、昼間であれば、明るい光が私たちを待っているということを知っているから。たとえそれが初めて通るトンネルであっても...。
私たちの人生の歩みには、様々な時があります。明るく開かれた時、そして閉ざされた暗い時も。今すぐは目に見えないかもしれないけれど、希望のしるしがそこにあるから、トンネルの中にいる様な時であってもそこに向かって歩んでゆけるのかも知れません。
冬もおわり、春がやって来ました。暖かくなるのはまだ先かも知れませんが、必ずその時はきます。暖かな春を待ち望みながら過ごす様に、希望を持ちながら、希望のしるしを見つめ歩むことができるなら、どんなに嬉しいことでしょう。そしてそれはどの様な希望なのでしょうか。
私たちが望みを置く希望が、いつまでも変わることのない希望でありますように。神の恵みと祝福が私たちの上に、いつも豊かにありますように。