

大学で教員をしていた頃の私の年末は、卒業や修了にむけて研究論文を仕上げる学生を前にして過ごす時期でした。農学系の研究室でしたから、イネ、コムギ、ダイズなどをテーマとして、水田や畑での観察に加えて、実験室での解析を組み合わせる研究などが多くありました。
学生たちにとって初めての論文ですから、先輩や教員から様々な手ほどきを受けます。研究対象が屋外の植物のため、当然ながら予想外のことが起こります。四月の大雪でパイプハウスごとコムギが押しつぶされる、台風で収穫前のイネが倒れてしまった、など研究材料がダメージを受けて、予定の観察ができなくなることがあります。それにどう対処するかを助言するのも教員の役割です。
そんな役割の中でも大切なのは、学生に研究テーマを好きになってもらうことでした。そのやり方に特別な秘訣などはなく、教員によってさまざまです。ただ確実なのは、自分のテーマを好きになった学生ほど、教員が思ってもいなかった「気づき」をする、ということです。
その学生の「気づきとの出会い」が、私にはとても楽しく感じられるものでした。
この春から心のともしびの代表となり、原稿執筆者の方にお目にかかる機会を得ました。その方々のお話には、ラジオを通して私たちのメッセージが確かに届いていることを、実感できるエピソードに溢れていたのです。この経験からも、私はさまざまな気づきをいただきました。
ひょっとすると、私たちが祈りを通して神様との関わりを深めていくとき、思わぬ気づきの恵みに感謝するとき、神様も楽しんでおられるかもしれません。
この放送が、来年もリスナーの方々の近くに寄り添えますように、と心から願っています。