▲をクリックすると音声で聞こえます。

祈り合う

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

 私たち人間はとても弱く、支え合うことが大切だと知っています。けれども、なぜか頼らなくなったり、一人で頑張ったりします。それはとても立派でカッコよく、自立していて理想的です。

 でも、力の限界を感じ、どうしようもなくなった時は、ごくごく自然に神様に頼ってしまいます。日々を何とか生きなければならない中で、「神様どうかお願いします、助けて下さい。あなたの出番です」と、ありのまま現状を伝え、お願いする。これはこれでいいのだと思います。自分の貧しさ、弱さを知って神様にお願いする。この謙虚で素直な頼みごとを、神様は喜んで受け入れてくださると信じます。

 「祈りあう」は「支え合う」ことではないかと思います。小さな力がともに寄り添って必要な恵と力を願う時、何よりも「希望の力」を頂ける気がします。全員がその願いを知って祈り合い、共に助け合う力には何か見えない「尊いものの力」を感じるのです。

 私は病院勤務の看護師ですが、時々急に職員が病気になり、欠員のままスタートする時があります。きっと延長勤務になるだろうと覚悟していても、平常の勤務時間内に終わることがしばしばです。誰言うともなく「お互いさま」の心のスイッチが入るのだと思うのです。

 報告・連絡・相談を密にしながら、間違えないように連携プレーが出来ているのです。このようなことは、支え合う心が繋がって、祈りあっている結果でしょう。

 ロザリオの球が一つずつ繋がって一つのロザリオになるように、共通の願いが実を結んでいるのだと思います。

 母マリア様に祈る時、常に支え合いを心がけ、助け合い、愛と愛を重ねた連携プレーで、「平和」をここかしこに実現できますように。