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柔軟性ある教皇フランシスコ

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 教皇フランシスコは、カトリック教会の指導者として世界中の人々に愛と希望を届けてくださいました。「すべての人間には神の愛が注がれている」といったメッセージなど、どのような立場にあろうと人は平等であるべきだという信念を強く伝えておられました。

 また、教皇フランシスコの平等に対する考え方は、非常に革新的で、しばしば社会的な問題に対して保守的な姿勢を示してきたカトリック教会から、柔軟性のある視点から現状を捉えるカトリック教会へと導いてくださいました。例えば、同性愛者や離婚者に対して厳格な立場をとることが多かったカトリック教会に対して、もっと柔軟で、愛と理解の精神を重視しておられました。

 「神はすべての人を愛し、私たちは他人を裁くことなく愛すべきである」とし、「誰もが教会の一員であり、どんな過去があろうとも神の愛は無償で注がれる」とも語っておられました。

 教皇フランシスコは常に他者を尊重し、寛容の心で接することの重要性を説いておられました。教皇フランシスコのメッセージは、現代社会が直面しているさまざまな問題に対して、どんな人々に対しても平等な愛を持ち、受け入れるということを私たちに再認識させるものであると思います。

 長崎を訪問された時も「いのちの文化、ゆるしの文化、兄弟愛の文化が勝利をおさめるよう、毎日心を一つにして祈ってくださるようお願いします」と私たちの祈りを懇願されました。そして、アッシジの聖フランシスコに由来する平和を求める祈りを私たちと共有されました。

 私もこの祈りの中にあるよう、「主の平和の道具」となり、教皇フランシスコが大切にされていた「平等な愛」を決して忘れず、信仰を持ち続けたいものであります。