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小さな幸せ

シスター 萩原 久美子

今日の心の糧イメージ

 小鳥のさえずりとともに朝、目覚められること、ご飯をおいしく食べられること、忙しさの中にもホッと一息つきながら冗談を言って笑い合える仲間がいること、仕事が終わって静かに祈りの時間を持てること。

 "ああ、幸せだな"とほっと心が緩むのは、大きな出来事の中ではなく、本当に小さく日常の何気ないことばかりです。

 そして、"ああ、幸せだな"と思うとき、自然と感謝の心がわいてきます。きっと幸せだなと思うとき、神様に触れているのでしょう。でも、同じように朝起きて、ご飯を食べられても、友人が沢山いるように見える人でも「自分は不幸だ」と嘆いている人もいます。

 こんなことを考えていると、私は幸せだから感謝しているのではなく「朝、目覚められてよかったな」「おいしいご飯を食べられてよかったな」と、「よかった」という喜びと感謝の気持ちがあるとき、"ああ、幸せだな"と思えるのかもしれません。

 聖パウロは「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなときにも感謝しなさい」(1テサロニケ15・17)と言い、「いつも幸せでいなさい」とは言いません。幸せは、喜びや祈り、感謝の後についてくるのでしょう。しかし苦しい時や悲しい時に、それでも喜んだり感謝することには難しさを感じてしまいますが、毎日当たり前と思っていることにでも「よかった」「ありがとう」「うれしい」という思いを持ち続けていたら、それが苦しく辛い時でも、喜び、感謝に敏感に気づく力となり、そして、小さな幸せをいつくしむことができるようになるのかもしれません。

 日々の小さな神様からのプレゼントに感謝する心を忘れないようにしたいと思います。