

近年になって、「小さな幸せ」という言葉がよく聞かれるようになってきた。ポジティブな思考をすることで自分自身の心を守り、日々の暮らしの中に喜びを見出していこうとする生き方のことであるようだ。
"よしなが ふみ"さん原作のベストセラー漫画で、テレビドラマ化、映画化もされた「きのう何食べた?」には、自分らしい生き方を選んだ人々の幸福な生活が描かれている。
主人公、
彼はゲイであり、同居しているパートナーも男性である。二人だけで家庭は完結しており、貯金も自分たちの老後のためだ。彼らの日々は慎ましく堅実な「小さな幸せ」であり、自分の意志で選んだ心地よいサイズの幸せなのである。
多様な属性を持つ人々が、自分たちの価値観を守って暮らすことのできる社会。それが私たちの願いだ。多くの人がこの物語に共感しているなら、そんな社会が近づいてきているのに違いない。
食卓に出される一皿の手料理。イケメンで料理上手な筧史朗は架空の人物ではあるけれど、彼は「小さな幸せ」の見つけ方の一つを教えてくれたのである。