▲をクリックすると音声で聞こえます。

小さな幸せ

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 新たな一日の始まりにあたって、私たちはそれぞれ何を想い、一日を始めるでしょう。普段と変わらぬ日常が始まり、いつもと同じ時を過ごしてゆく様に思うかもしれません。今日も昨日と同様に、似た様な日になると思えるかもしれませんが、一日として同じ日はありません。その様な中で、より良い一日を過ごすためのヒントを考えてみましょう。

 新約聖書、ルカ福音書の6章に「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。」(6・31)というイエス様のことばがありますが、文字通りにできるならどんなに嬉しいことでしょう。

 自分にとって嬉しいことがあれば、とても良いことで、それは他の人にとっても、きっと同様に嬉しいことなのでしょう。他の人にとって嬉しいと思うこと、思えることを、私ができるなら、人にして差し上げられるなら、どんなに素晴らしいことでしょう。

 人から何かしてもらうのを待つのではなく、自分から相手に積極的に与えていくこと、優しい言葉をかける、温かな態度で接するなど、私たちができることは沢山ありますね。それら小さな一つ一つを自分にとっての喜びとするなら、私たちの毎日は、小さな喜びに満ちた毎日へと変えられてゆくのではないでしょうか。

 人は決して一人で生きてゆくことができません。人と人との出会いの中、関わりの中で歩んでいます。出会う人々に何か小さなプレゼントをする機会を心から待ち望みながら、その様な機会を大切にして活かしていくならば、今日の一日も幸いな一日になってゆくに違いありません。そしてその様に歩んでゆく私たちを、神様は微笑ましく想い、見守り、励まして下さることでしょう。

 神の恵みと祝福が、私たちの上に豊かにありますように。