

昨年の秋、詩人の
一度目は私が青年だった頃で、とあるカフェの催しで同席する機会に恵まれました。数日後に尊敬の念を込めて谷川作品の感想を送ると雑誌の編集者の方から連絡があり、「谷川さんのご紹介であなたの詩を掲載します」とのことでした。想像しない出来事に胸を熱くしながら私は自作の詩の原稿を送り、雑誌では私の詩に谷川さんが呼応するコメントも掲載されました。
年月は経ち、私は姉さん女房と結婚し、ダウン症をもつ息子を授かりました。息子が小学生になった時、私は父親として彼への想いを記した詩集を企画し、あとがきを谷川さんにお願いしたい――と心から思い、私の詩の原稿を同封して、「寄稿していただけませんでしょうか」という想いを手紙にすると、日を置かずに直筆の署名が入った原稿が届いたのです。私は外出しており、封を開けた妻が電話口で谷川さんの文章を読み上げてくれました。
妻は息子のダウン症の告知を受けて以来、深い葛藤を抱えていました。私は母親ゆえの苦悩を
谷川さんはクリスチャンではありませんが、カトリックの幼稚園を出られたそうで、その原稿には、私の詩の内容への深い理解がありました。
「パパの詩に守られて、三人とも元気で生きていってください」
この励ましの言葉を支えに、私は己の道を信じて歩んでいきます。