▲をクリックすると音声で聞こえます。

平和を祈る

一場 修

今日の心の糧イメージ

 今朝、皆様は心新たに、新年をお迎えになったことでしょう。

 カトリック教会では、1月1日を「世界平和の日」として、心あわせて祈ります。そして「神の母聖マリアの祝日」でもあります。

 聖母マリアは、私たちがどのように祈ればよいかを示しています。

 ルカによる福音書には、天使の"良い知らせ"を聞いた羊飼い達が人々に話した時の、マリアの姿を次のように伝えています。

 「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」。

 世界平和のために祈るとは、ただ「世界が平和になりますように」と願うことではないと思います。まず、この世界で起こっているさまざまな出来事を、マリアのように心に納めることから、祈りが始まります。

 周りの人や周りのいのちの苦しみや悲しみ、喜びや希望を知ることから始まります。喜ぶ人とともに喜び、苦しむいのちと共に苦しむことが私たちに求められている祈りではないでしょうか。

 そして、すべての出来事の中に、神がおられることを感謝したいと思います。特に、苦しんでいる人、悲しんでいる人のそばに、神はおられます。上から見下ろすでも、遠くから傍観するのでもなく、すぐそばで共に生きてくださる神に感謝したいと思います。神に感謝を捧げながら私たちの心からの願いを捧げます。

 世界が平和になるために何が必要なのか、私は何をしたら良いのか、真剣に思い巡らしながら、神に願いを捧げたいと思います。

 私は何をやめるよう求められているのか、謙虚な心で思い巡らしたいと思います。

 世界平和のために祈ることは、時間がかかることです。しかし、この祈りの時間こそが、平和が実現している時間なのではないでしょうか。