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手助け

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 4歳と6歳の、姪の子どもたちは、小さなお手伝いが大好きです。何でもやってみたいという子どもらしい好奇心もあるかもしれませんが、一番の動機は周りの大人に喜んでもらい、自分も役に立つことを認めてもらって褒めてもらいたいということではないかと思います。時には危なっかしかったり、却って時間がかかったりしますが、子どもたちはいつも笑顔で積極的に自分にできることで手助けをしようとしてくれます。その様子は、実にかわいらしく、微笑ましい限りです。

 このような子どもたちから、例えば、後片付けの習慣や周りの人たちの目に見えない働きや配慮への気づき、人と人とのつながり感、自分自身への自信、自己肯定感等が、子どものうちで培われていくように感じられ、私自身も幸せな気分にならせてもらいます。

 しかし、このような子どもたちとは正反対に、自分のためにだけ時間やエネルギーを遣って日々をやり過ごしているような大人たちもいます。そんな人々は、往々にして不平不満や不安ばかりを口にし、接している側は自分の生気さえ削がれるように感じてしまうことがあります。

 「人間」という言葉は、私たちが人と人の間を生きる存在であるということです。私たちは、何らかの人との関わりがないと生きられません。

 子どもたちは、できる手助けを喜びながら、他人に喜んでもらい、人々に見つめられ、かまってもらうこと、素直に手助けを受け取ることも忘れません。

 「受けるよりも与える方が幸い」とも言われます。(参 使徒言行録20・35)しかし、受けるという思いやりもあるのではないでしょうか。他人の手助けを受け入れ、感謝することで、双方が喜びを分かち合えることにつながるのでは...と気づかされます。