「ギンリョウソウ」という植物をご存じですか?銀色の「銀」に竜巻の「竜」、それに「草」の漢字3文字で「ギンリョウソウ」と読むのだそうです。
私の住んでいる修道院は神社と隣り合っているのですが、修道院から下の方に木々の中を参道が通っています。鳥居の横の修道院の階段にはマリア様の像もあり、木漏れ日がキラキラと鳥居とマリア様を照らし、とても清々しく感じられます。
先日、参道近くを掃除している時に、林の中にキノコのような白い物を発見しました。よくよく目を凝らすと、何やら花のようなものが咲いています。一緒に掃除をしていたシスターも呼んできて、初めて見る植物らしきものに二人して大興奮。写真を撮って後で調べてみると、それこそが「ギンリョウソウ」でした。
その植物は全体が透き通ったような白い色をしています。うっすら桜色に見える花、茎にはうろこのようについている小さな葉のようなものがあり、確かに小さな竜を思わせます。植物ですが葉緑体を持っていないので白い色をしています。光合成もできないので栄養も作りだすことができません。林に生きる仲間の木々と菌類は、そんなギンリョウソウに、林の中でやり取りされる糖やミネラルなどの栄養を分けてくれているようです。
見た目ははかなげな様子のギンリョウソウ。でもよく眺めていると、周りの仲間に助けてもらいながらしっかり地に足を付けて咲いているその姿に、どんな環境であっても助けてもらいながら生きる力、単体ではなくみんな一緒だから生き抜いていくことができるその命の営みを見せてもらいました。
心の中に「私は弱いときにこそ強い」という聖書の言葉がこだまし、神様の創造の業を賛美しました。(Ⅱコリント 12・10)