3年ほど前、MIYABIこと竹内まりや作詞、村松崇継作曲の『いのちの歌』をふたりのビッグアーティストが歌われている映像に出会い、その歌声から醸し出される優しさに包まれました。恍惚として聴き入っているうちに、命への感謝と賛美が溢れるこの歌を一人でも多くの人に届けたいという熱意が膨らみ、わたしは大胆にもカバー許諾申請を出し、配信リリースの実現に至りました。
実は、年々増加している鉄道での人身事故の報道に接するたびに、命の大切さについて強く発信していないわたし自身の責任を感じ、申し訳なさで心が締め付けられています。
聖書はこの世界のすべてが神さまによって造られたことを教えてくれます。自分の命も他者の命も、造り主である神さまのもの。であるならば、それを勝手に断ったり傷つけたりする権利はないと気づかされます。
とは言え、苦難の淵に沈んだ時「死に逃げてはいけない」「生きなければならない」という強い意志だけで人は踏みとどまれるでしょうか。絶望への誘惑に抵抗することも大切ですが、それだけではなく、愛された体験、愛されている現実を思い出して感謝に浸る時、静かに抱きしめられるような気持ちになり、生き抜く力が湧いてくるのではないかと思います。
命の与え主である神さまの思いを知ること、『いのちの歌』のように愛を感じる音楽や人との交わりに浸ること、そして、生きるエネルギーのために必要な身体的調整。
人が生き抜くためには、これらのどれもが大切だとわたしは感じています。
そして何よりも、弱い存在であるわたしたちは自力に頼ることなく、今日も命の与え主である神さまに「お借りしている命を大切にして、生き抜く力」を願い求めたいと思います。