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生き抜く

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 「生き抜く」とは、まず、何のための人生かと 熟慮の上、その目標を掲げ、それに向かって生涯邁進することだと思います。

 単に「生きる」と言うことと「生き抜く」ということでは、大分意味が異なります。「生きる」は生物学的意味合いが主になりますが、「生き抜く」の方には、一貫した自分の強い意志や願望が含まれています。それだけに、人生の意義や目的、目標を熟慮した形跡が残されています。

 かけがいのない人生、私たちは、一人ひとり異なる自分の物語を日々作り上げています。その目標はさまざまで、「貯金をする」「喧嘩をした人と仲直りする」「教師になる」などいろいろです。その中で、挑戦することや苦難にぶつかりながら、私たちは各自特有の「意志」により、目標の達成を目指しています。

 辛さを乗り越え目標を達成した時の充実感こそ、自分へのご褒美であり、また次にがんばろうという気持ちにさせてくれます。

 「生き抜く」には周りの人の支えと共に、祈りが私たちの力になります。困った時は、信頼する人に相談して、不安になった時は、祈りを通して自分を見つめてみましょう。そうして平安を取り戻し、前進したいものです。

 フィンランドに、「道を聞く人は迷わない」(Ei kysyvä tieltä eksy)ということわざがあるそうです。このことわざ通り、私たちは一人ではなく、たくさんの人に支えられているので、迷った時には、自ら多くの人に助けを求め、自分の目指している目標に向かって生き抜かねばなりません。

 最後に、「生き抜く」ためには「息抜き」も必要であることも忘れてはなりません。自分らしい人生を満喫するためには、息抜きをしながら生き抜くことを心がけたいものであります。