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自然への感謝

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 私の好きな聖歌の歌詞にもなっている聖書の個所に、次のようなイエスさまの言葉があります。

 「空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、借り入れもせず。倉に納めもしない。だが、あなた方の天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは鳥よりも価値あるものではないか。・・・野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか。」(参 マタイ6・26、28~30)

 空の鳥や野の花という自然に対する神さまのお取り計らいが豊かにあるのだから、なおさら、あなた方一人一人には、神さまの豊かなご配慮があるのですよ、とイエスさまが教えられる個所です。この個所を少し斜めに読んでみると、空の鳥や野の花を注意して眺めていれば、そこに神さまの存在を感じることができる、と読むことができます。

 先日、4年ぶりに南の島に出かけてきました。今回は街中のホテルに滞在したのですが、それでも鳥のさえずりを聞き、美しい花を眺めることができました。私にとって、自然と触れあうことは、神さまに触れることだと思っています。これらの自然がおりなす風景を眺めていると、自分の小ささを感じ、神さまの豊かな計らいの中で、今日も生かされていることに気づかされるのです。

 時に自然は猛威を振るい、多くの災害をもたらすこともありますが、それでも、私たちは、自然の中で生かされ、自然と共に生きていくのです。感謝の心でこの自然を受け入れ続けていきたいと思います。