私の心の中にはどうしても怠け者の私がいるようで、昨年はダウン症をもつ息子の子育てが、つい妻任せになってしまうことが多くなっていました。
私は詩人で、毎日出勤する仕事ではないものの、昨年は原稿の執筆や会合への出席など予定に追われ、手のかかる息子の世話を十分にはできていませんでした。介助が必要な息子は12歳で行動も機敏になり、子育てには気力、体力を要します。
物価高騰など景気も悪化し、家計をやりくりする7歳年上の妻も苦労し、心身ともに疲弊してゆきました。小学6年生になっても言葉を話すことがなく、食事もトイレも着替えも介助がいるヤンチャな息子の子育てに、妻が悲鳴をあげる場面も増えてきました。
〈手伝いが足りないなもっと協力しなければ...〉と思いつつも・・、結果として、妻は体調を崩してしまいました。「動悸がする、息が切れる」と言い出し、ようやく私は自分の至らなさに気づいた次第でした。
そのような中、年の瀬に私が主宰する文芸誌の仲間との集まりがありました。信頼する人たちに、私は現状を相談しました。年配のOさんは「奥さんの負担を減らすために、とにかく〝やること〟だよ」と助言をくれました。その隣りにいたSさんは「そうね」と、優しく頷きました。年上のIさんが「大丈夫だよ」と、私の背中に優しく手を当てると、温かな励ましが伝わってきました。相談できたことで、私の気持ちも軽くなりました。
翌日は奇遇にも妻の誕生日でした。私はこの日を起点に〈これからは積極的に子育てや家事にかかわろう!〉と決意しました。そう思えたのは仲間たちのおかげで、現在の私の支えになっていることを思い、改めて人の繋がりの大切さを実感しています。