美味しいものを頂くと、私の気持ちが何故か明るく元気になります。不思議な現象です。なぜ、そうなるのでしょう。
日比谷公園近くのお店で綺麗な風景を見ながら、私の大好きなスイーツを、ニコニコして頂いたら何とも幸せな気分になるのです。
若くて元気な人ほど、この味覚に大きな幸福感を感じるそうです。
高齢の私は哲学の本や小説を読んでも幸せな気分になれますが、やはり大好きなものを味わったほうが近道。
大昔、哲学者プラトンやアリストテレスも、この美味しさと幸福感について思索し、素晴らしい文章を書いています。
素敵な映画を観たことがあります。
フランスのある貧しい漁村、村びとは喧嘩ばかりしていました。
フランス革命の折、パリから有名な女性シェフが、その漁村に亡命してきて、料理を作りました。漁民がその料理を恐る恐る食べてみると、何とも美味しいのです。すると皆が段々ニコニコするようになり、喧嘩せず幸せな日々を送れたという内容でした。
有名シェフの料理でなくとも、身の周りに素朴で美味しいものはいくらでもあります。「何と美味しい!」と感謝する習慣をつけると、次第に幸福感を感じていきます。
私たちは高齢になると聴覚や視覚が衰えて、小さな勘違いから小さな争いが生まれ、閉じこもった生活になりがちです。そんな時、どうしたら明るく心の扉を開くことができるのでしょうか?
まずは身近な食事について考えてみましょう。日頃、自分が幸福感を感じるような食べ物を再確認し、あらためて「その美味しさをしみじみと味わう習慣」を身につけると、思わぬ平安感、幸福感、健康感が泉のように湧き出すようです。
そうしたら、扉を開けて一歩外へ出られるように思うのです。