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捧げる

松尾 太 神父

今日の心の糧イメージ

 ~~イエスさまが、5千人以上のお腹を空かせた人たちに、なんとか食べさせてあげたいと願っていた時、ひとりの子どもが、持っていた五つのパンと二匹の魚をささげました。イエスさまがそれを祝福し分け与えると、なんと全員が満腹しました~~、という奇跡物語を、小学2年生の子どもたちに紹介したときのことです。

 子どもたちに「もし困っている人がいたら、どうやって助ける?」と尋ね、二人一組になった子供たちの前に、魚の絵、水筒、救急セットなどを置いて、何を使って相手を助けるかという問題にチャレンジしてもらいました。

 「お腹が空いている人がいたら?」と尋ねると、その子は魚の絵をとって差し出します。次の組に、「のどが渇いていたら?」と言うと水筒を、「ケガをしていたら?」と言うと救急セットを差し出します。

 さらに、「ひとりぼっちの人がいたら?」と尋ねると、その子はしばらく迷っていましたが、「何もいらないかもしれないよ」と言うと、すぐに相手の子に飛びつき、ハグしました。そして最後の子に、「しかられて泣いている子がいるよ」と言うと、その子は、二、三度行ったり来たりしたあと、すばらしいアイデアがひらめいたような顔をして相手に近寄り、「どうしたの?」と優しく声をかけました。子どもたちのまごころあふれる姿に、本当にしあわせをもらいました。

 授業の中だけでなく普段の生活でも、子どもたちはごく自然に自分をささげます。ケガをした友だちがいれば、他の子たちも一緒に保健室にやってくるし、トイレに行くときだって一緒です。持ちものも、心も、時間もささげ合っていっしょに生きるということは、本当にすばらしいことなのだと、子どもたちがあらためて教えてくれます。