クリスマスページェントのハイライトは、聖家族のもとに3人の博士が静々と捧げものを掲げて登場するラストシーンでしょう。
遥か昔、幼稚園の時は解説役だったので、マリア様や大天使ガブリエルが羨ましかったものですが、小学校では、4年生の時マリア様役になり、講堂の広い舞台で、セリフも演技もありました。
舞台中央に、ヨセフ様役の6年生と私とが、幼子イエス様を見守ってポーズすると音楽が流れ、講堂の後ろのドアが開いて高学年の男子が博士に扮して登場。黄金、乳香、没薬を恭しく捧げ持って行進してきます。その後ろから、6学年を代表する12名のクラス委員が、カードを詰め込んだ籠を両手で捧げ持って付き従います。
そのカードには、生徒一人一人がクリスマスを迎える喜びや、この一年の反省や、幼子イエス様との約束など思い思いに書きこんでいます。
行列は舞台まで進み、中央の階段を上ります。ステージに上がると一人一人順番に聖家族の前に進み出て捧げものを渡していきます。博士からの三つの宝物を中心に、色とりどりのカードが詰まった12の籠が取り囲む様子は、客席から見れば花籠のようで、聖家族を中心に活人画よろしくポーズが決まります。一段と音楽が大きくなり上手からガブリエル率いる天使たち、下手からは旅館の主が羊飼いと動物たちを案内して登場し、出演者一同が勢ぞろい。牧師先生が会場の全参加者を祝福してくださり、全員で声をそろえて「きよしこの夜」を歌います。
昭和30年ごろの体験が今もなお昨日のことのように目に浮かぶ、懐かしく喜びにあふれた想い出です。
「三つ子の魂百まで」といいますが、幼き日のクリスマスに、「捧げる」ということを学びました。