「神様は真っ白の衣をまとい、天空から地上の人間社会を見下ろしていらっしゃるのだと思っていませんか。それは違います。神様は私たちの眼には見えませんが、身近に感じることができる方です。人間同士が出会い、語り、心が通じたと感じるとき、そこには神様が一緒にいてくださるはずです。聖霊が働いてくださっているのです。このことが信じられるならあなたは既に信仰を持っています。」
大学時代の黙想会で伺ったシスターの一言でした。
当時21歳でしたが、思わず自身の20年間を振り返りました。
幼稚園、小学校時代の幼なじみ、中高一貫校で新しい友人関係が築けたことなど。恩師や父兄など、年長者との出会いも思い返したのです。すると初対面でもすんなり意気投合した経験などが幾つも思い出され、素直にこのシスターのお言葉を納得しました。
そして私は翌年洗礼を受けたのです。
カトリック信徒となって50年以上の歳月が流れました。これまでの人生、多くの出会いの中で結ばれたご縁に支えられ、互いの人間性を活かしあうことで、日常生活はもとより、仕事においても多くの成果を上げることが出来たのだと、心から神様に、聖霊の導きに、感謝を捧げています。
人の出会いとは不思議なもので、親類縁者や友人など、普段からお互いよく解っている場合はともかく、全くの偶然で知り合った人への対応が、大げさに言うと人生の分岐点となります。
各々我儘な人間同士ですから、出会って全て上手くいくというわけにはいきません。でも、神様が創られた存在だからと思えば、その人ならではの個性と能力が備わっているのを見出せるでしょう。
相手の特徴を理解して互いの良いところを活かしあうことが大切です。