小さい頃、ドボーズ・ヘイワード原作の「かあさんうさぎと金のくつ」という絵本が大好きでした。この本にはたくさんの子うさぎが登場します。何と21匹ものきょうだい子うさぎです。かあさんうさぎは子うさぎたちにこういいます。「さあ、これから楽しいことをしましょうね」子うさぎたちは2匹ひと組になって、掃除、洗濯、料理、皿洗い、ベッドメーキング、裁縫やつくろいもの、それから、歌、ダンス、絵を描くこと、庭仕事まで、たくさんのことをかあさんうさぎから教えてもらい、楽しくお仕事ができるようになるのです。
小さい頃の私は、子うさぎのきょうだいがいきいきと働いている絵を見ながらワクワクしていました。私もきょうだいが多かったので、家でのお手伝いは分担してやっていました。時にはけんかをしながらもこの絵本の子うさぎたちに励まされながら、楽しんでやっていたのを思い出します。持ち味を活かしあいながら、楽しく生きることができるって、ステキだな、と今読んでもうれしくなります。
現に、今、生活している共同体も一人ひとりの持ち味が活かされているな、と感じられます。裁縫が得意なシスターM、畑仕事が上手なシスターA、ちょっとした時間に畑で採れたお野菜をおいしく料理してくれるシスターH、お年寄りや具合が悪い人にやさしく目を配り、心を配ってくれるシスターN。
一人ひとりが神様からいただいている良さと心づかいを持ち寄って、共同体を明るく優しく照らしてくれます。これからも、イエス様が一人ひとりの持ち味を活かして、絶妙な味わい豊かな共同体に仕上げてくださることに信頼し、周りの方々と、笑顔や平和を分かち合っていくことができたら、と思います。