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活かしあう

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 「あなたのためにお祈りしています。」

 別れ際に、相手にかけられる言葉の一つですが、相手のことを思いながら祈りをささげることは、とても美しく、大切なことだと私は思います。

 このようにお互いに祈りあう、という「祈りの交わり」の中に実は私たちは生きており、また、生かされているのでしょう。このような祈りの交わりは、お互いを「活かしあう」大切なひとときなのだと思います。

 私事ですが、おかげさまで、今年、神父になって満30年を迎えることができました。神父になる前も、そして、神父になってからも、多くの人たちのために祈り続けてきました。

 病気に苦しむ人のため、高齢で不自由な生活をしている人たちのため、また、神さまのみもとに帰られた人のため、そして新しい環境に踏み出した人のためなど、多くの方々のために祈りを続けてきましたし、これからも祈り続けるつもりでいます。

 しかしながら、よくよく考えてみると、これまで私が祈り続けてこられたのは、私のためにお祈りをしてくださる多くの方々によって支えられてきたからなのです。これまたお互いを「活かしあう」祈りの交わりのなかに生き、そして生かされていることなのです。

 互いに祈りあうことでお互いを「活かしあう」交わりは、目には見えませんし、効果が確実なわけでもありません。でも、このような見えない形でお互いを活かしあう方法があるのは確かなことです。祈りにならなくても、相手を思いやる気持ちを持つことも同様です。

 目に見えること、効果が確実なこと、そして科学的に根拠があることだけが信じられるようなこの世界だからこそ、今の時代にも、目に見えない祈りの交わりも大切なのだと、私は思います。