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活かしあう

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 私たちは神が創造されたこの世界に生きています。

 様々な人たち、様々な生きもの、様々なものととともに。いずれもかけがえのないもの、かけがえのない存在ですね。

 先日、あるシスター方の修道院にミサに行ったところ、普段気づかなかったものに目が留まりました。聖堂には、祭壇やミサを捧げるための聖具、十字架やご像などがあり、これらのものにいつもすぐ目が行くのですが、その日は、別のものが目に入ってきました。

 胡蝶蘭、ポインセチア、季節の花、観葉植物などが鉢に入って、聖堂のあちらこちらに飾られていることに気づきました。少し離れてはいるけれど、並んで近くに置かれている鉢植えもあれば、ぽつんと置かれた鉢植えなど。

 草花の世話をして鉢を置いて下さったシスターは、それぞれの鉢植えを大切にしながら、「どこにどのように置こうかしら、一緒に置くなら並べて置くなら、どの組合わせが一番いいかしら...」と考えられたのだろうなと思いながら、個性豊かな草花を眺めていました。鉢の個性や、鉢同士の相性。聖堂内の壁や椅子や、通路、調度品などとの調和を考えて、どれか一つだけを大切にするのではなく、それぞれが活きるように、活かされるように、なさったのではないでしょうか。

 このように様々なものを大切にしている私たちですが、人についてはどうでしょうか。今を生きる私たち。気づいていないだけなのかも知れませんが、ともに生きる人、人々に活かされながら生きているのでしょうね。

 互いを大切にしながら、ひとりひとりを大切にしながら、それぞれが活きるよう、活かされるようにしながら、ともに生きてゆくことができますように。 神の恵みと祝福が豊かにありますように。