新型コロナが流行し、日本全国が在宅推奨となった時期、私の所属する俳句の会も中止になりました。メールでの句会は続きましたが、多くの人同様、私たちも突然会えなくなったこと、楽しい句会で語り合えなくなったことで大きなストレスを受けていました。
そんなある日、仲良しの句会仲間、句友と電話していたら、どちらからともなく「二人句会」をやろうという話になりました。最初は「コロナ句会」とでもいえるような、互いを励まし合う意味合いが強い俳句の交換でした。季節ごとに、一カ月間、毎日メールで一句ずつ送り合い、相手の句に一言感想や質問を書き合う形を取りました。
お互いに自宅で過ごす時間が長かったため、句会中は毎週電話しながら安否を確認し合ったり情報を交換したりしていました。
やがて世の中がそろそろ前向きに動き出したとき、私たちは「励まし句会」だったこの交流をこれからどうするか話し合いました。
「私ね、麻由子さんの語学の感覚とか世界規模の視点とかから、たくさん学ばせてもらっているの。だからこの句会はこれからも続けたいな」
「私も、自分には少ない和の雰囲気や色彩感覚を学ばせてもらっているわ。これからも色々教えてほしいな」。
そんなわけで、二人句会は毎回形を変えながら続いているのです。
この句会は、文字通り「活かし合う」経験でした。お互いに違いを楽しみながら俳句を磨き合う中では、俳句経験の長さや活動の頻度などは関係なく、純粋に俳句だけの高め合いが生まれます。そこから友情が膨らみ、いまや私たちは親友といえる間柄になったと思います。
二人句会は、ほかの場面でも活かし合いのヒントになる、素晴らしい経験となったのでした。