ふとひらめいたことをメモしておくのは良いことです。
戦後間もないころ、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は寝床のなかで、ふいにあるアイディアがひらめいたそうです。
博士は枕元にいつもノートとペンを置いていたので、すかさず、そのひらめきをメモしました。そのメモがもとになって、湯川博士の中間子理論は成立するのです。
ところで、私たちにも良いひらめきは、突然にやってきます。
でも、ふっとわいてきた良い考えや気づきは、そのままにしておけば忘却の彼方に消えてしまいかねません。逃さないためには、湯川博士のように、メモしておくといいですね。
メモには他にも良いことがあります。例えば、今日する予定を箇条書きにメモしておき、終わったら線で消していけば、一つ一つ確実に用事をこなすことができます。
また、ひらめいたことを文字や文章にしておくと、より思考や気づきが深まります。認知症予防にもなり、言葉による表現力も磨かれていきます。
ちなみに、私は40数年前からコツコツと書いてきたメモをいまだに持っています。
メモには、その時の気づきやアイディアなどが書いてあります。
これらは、後年私が本を書く時、講演をする時にずいぶん役立ってきました。昔取ってきたメモの一つ一つが、いまの自分を方向付け、いまの自分をつくってきたように思います。
メモは、私の知的財産であり、かつ新たな知的財産を生み出す手段となってきたのです。
誰にでも、ひらめきはやってきます。散歩している時、人と話をしている時、本を読んでいる時、なによりも祈っている時など。
ひらめきは神様からの霊感であり、プレゼントだと私は考えています。