50年近くも前に、作詞・山川啓介、作曲・いずみたくの「ふれあい」という歌が流行りました。その歌の「何気ない 心のふれあいが 幸せを連れてくる。ひとはみな 一人では 生きてゆけない ものだから」という歌詞が印象的で、今でも心に残っています。
私たちは、「何気ない心のふれあい」の大切さと「一人では生きてゆけない」という現実を、もっともっと素直に認め合うことができれば、まず自分の心の姿勢やあり方が変えられ、大げさではなく、世界を変えることにつながるのではないかと、私は思います。
私は、もともと悲観的なものの考え方をする方です。心から自分や他者を積極的に評価したり、他者の言動を肯定的に受け止めたりすることが苦手で、「自分はダメだ」とどこかで思い込み、ずっと自分の感受性にどこか歪みを感じてきました。
しかし、中学生の時、初めて、「神様に愛されている」ということを教えられ、少しずつ癒されてきたと感じます。神様の愛を味わうことを通して、自分を受け入れられるようにもなり、どれほど多くの人々に支えられ、お世話になってきたかにも気づかされました。そういう気づきの中で、人との出会い、心のふれあい、関わる人の「何気ない」優しさや共感が心に染み入るようにもなりました。
毎年の黙想やいろいろな機会に「自分の歴史」をふり返る時、一日の終わりに神様のみ前で「今日の一日」を思い起こす時、人とふれあうことによっていただく恵みへの気づきは一層深められ、こんな貧しい私にも人の心にふれ、人生の歩みに同伴し、サポートするという大きな恵みをいただく機会さえ与えられてきました。
私たち、一人ひとりは、お互いに支え合い、ふれあうように生かされているのです。