2019年に内閣府が発表した、若者の意識調査結果にショックを受けました。日本の若者は諸外国の若者と比べて自分自身に満足している人、将来に明るい希望を持っている人、宗教が心の支えや行動のよりどころとなっていると思う人の割合が低いという結果でした。
父親であり、また長くカトリック学校の教師であった私は、大きなショックを受けました。神は愛ゆえにご自身に似せて人を創造されました。子どもたちに、無条件に愛されている存在であることを伝えることは、親や教師、大人が神から託された大切な使命だからです。
子どもたちの身の回りには、手軽な楽しみが溢れています。しかし、心揺さぶられる真の喜びに出会うことが難しいのが、私たちの社会の現状なのかもしれません。
教皇フランシスコは、「もし私たちが聖書を携帯電話と同じくらい常に持ち歩き、メールを読むのと同じくらい神様からのメッセージを読んだとすれば、いったい何が起こるでしょう」と問題を投げかけられました。さらに、「あなたが神を探さないときでも、神はあなたを探しています。あなたが神を忘れたときでも、神はあなたを愛しています」と述べて、神に立ち帰るよう諭されました。
子どもたちが心と体が安らぐ居場所を確保し、この世に生を受けた喜びを実感できることが、幸せな人生に繋がるのだと思います。たとえ思い通りにならないことが起こったとしても、それを受け止めて、苦しみの中に大切な意義を感じ取ることができるよう導くことが大人の責務です。
子どもは親の背中を見て育つと言われます。まず私たち大人がそれぞれの置かれた場所で、感謝と喜びのうちに生きるよう心掛けることが、何より大切なことだと思っています。