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いごこち

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 私たちは世界の中で、今、存在しています。社会の中、人々の中で一定の空間を占有し、過ぎ行く時の流れの中で歩んでいます。独りでいる時も、そうでない時もあるでしょう。人との関わりの中、置かれている環境が、過ごしやすいかどうかは、多くの人にとっての大きな関心事の様に思います。

 過ごしやすいは、くつろげると言えるでしようか。それは場所かもしれませんし、ある人間関係の中にいること、特定の行動かもしれません。例えば公園にいたり本を読むこと、ある人と一緒にいること。同じ部屋であっても、過ごしやすい場所、過ごしにくい場所があるでしょう。それらを別の語で表すと、居心地が良いということになるでしょうか。

 居心地によって私たちは変わります。居心地の良い状態にいつもいられれば良いのですが、様々な理由でそれは難しいですね。ずっと公園にいることはできないでしょうし、ずっと本を読み続けることもできないでしょう。それぞれ様々な場面の中、居心地の良い状態を大切にしながら、そこを自分のベースにして生きている私たちかもしれません。

 居心地の良い状態だけを求めて日常からかけ離れてしまうなら、それはいけませんね。自分のできるレベルを超えて、何かをし続けることは困難でしょう。与えられた環境の中、慎ましく、そのような環境を大切にして歩むなら、順境の時も、逆境の時も、しっかりと歩んでゆくことができるでしょうか。

 自分にとって大切な場、居心地の良い場とは何でしょう。人によっては、聖人方の様に、神様とともに歩むという人もおられるかも知れません。この一日、私たちはどの様にして歩んでゆくのでしょうか。

 今日も神様の恵みと祝福が豊かにありますように。