親近感

中井 俊已

　何か悩みがあるとき、どうするでしょうか。
　悶々と考えても解決策が浮かばない。そんなときに、どうするでしょうか。

　たいていは、だれか信頼できる人に相談してみようと思うのではないでしょうか。話を聞いてもらい、何かアドバイスをもらおうとするのではないでしょうか。私もそうします。できれば、賢明で、経験もあり、誠実に対応してくれる人に。

　相談すれば、目からウロコが落ちるような解決策を出してくれることもあるでしょう。話を聞いてもらうだけでも、気持ちが落ち着き、自分で解決策に気づくこともあるものです。

　ただ、そういう人は忙しくて、よほど親しい間柄でなければ、時間を割いてもらえるわけではありません。カウンセラーを専門職としている人なら、当然、お金がかかります。

　ところが、お金は１円もかからない方法があるのです。しかも、どんなときでも、どれだけ長くても話を聞いてもらえるのです。

　さらに話を聞いてくれる人は、自分よりもずっと知恵があり愛のある人です。つまり神様に相談するのです。

　実際に声に出すわけでありませんが、私は友達に接するように親近感をもって、祈りの中で語りかけます。
　「少し悩んでいることがあるんですが」
　「神様、教えてください。どうすればよいのですか」

　人間の私たちでさえ、自分のところに来て、頭を下げ、悩みを打ち明け、教えを請う者を無下に扱うことはまずありません。ましてや慈悲深い神様が、自分を頼って相談に来る人を無視するはずはありません。

　無論、神様の答えが声となって聞こえてくるわけではありません。
　しかし、祈り続けていれば、答えはいずれ返ってきます。