「面と向かって『ごめんなさい。』」が言えない人が増えている」と、ラジオのコメンテーターが発言していました。メールにペコリマークを入れて終わりだったり「ごめん!」と一言だけ。照れくさいからでは片付けられないマナーの悪さです。きちんと謝れないのは、人が互いに関わり合う生き方を嫌い、自由気ままにバラバラに生きる事を好む傾向になったからでしょうか。
「根に持つ」という言葉があります。人間関係の中で何かゆるしがたいと思う体験をして、いつまでもこだわっている態度のことです。互いにきちんと謝罪して、人間関係をリセットして出直すのではなく、うやむやにしたためどちらかが根に持っていて、赦せず逆上し、危害を加えるというような事件がたびたび報じられています。
ゆきずりで無差別に襲い掛かる事件は別として、知り合い同士なら、何か原因があるのかもしれません。気分を害している相手の気持ちがわかったなら、心から謝罪すれば、時間がかかっても、いつかゆるしあえるのではないでしょうか。
ところで「ゆるし」という言葉の漢字表記は二通りあります。許可の許しと恩赦のほうの赦しです。普通は許可の許しがもっぱら使われています。それは人間の行為が良いことか悪いことか二つに一つの選択によるからです。でも もう一つの赦しは神様が人間に対して、寛容な大きな愛で全てを受け入れてくださる赦しなのです。
素直に赦し(許し)を乞える人は、立場が変わった時、大きな心で相手を赦せる(許せる)人でもあります。
世界がもしや大きな戦争に向かっているのではと危ぶまれている現代、人間同士も国家間も、赦し、支え合う心を養って、平和な世界を希求していくことを切に願い、祈っています。